荷物考
四月から通勤時間が増えた。徒歩五分だったのが、今や電車やバスを乗り継ぎ片道一時間半になった。
僕は心配性である。往復の三時間の間に何か困ったことがないかと備えてきた結果、荷物が多くなっていった。
現在の鞄の中身は、財布、パスケース、鍵、手帳、筆記用具、クリアファイル、ノート、カードケース、薬類、扇子、サングラス、パソコン、モバイルバッテリー、コード類、本、タオルを基本とし、新聞や本をもう一冊、傘などが入ることもある。
とにかく、鞄が重い。
鞄が一つの時はまだいいのだが、先日そこそこの重さがある手土産を携えた時などは辛かった。満員電車でリュックを前にしようとした時、バランスを崩し、鞄の中身のいくつかが電車の床に散らばった。
鞄が重いという問題を解消するため、方法としては二つが考えられる。一つは荷物を少なくすること、もう一つは荷物を軽量にすることである。
前者については、およそ不可能だと思っている。先に述べたように、心配の行きついた先だからである。おそらくパソコンが不要だという人がいそうだが、いつ仕事が来ても対応できるようにしたいという気持ちからそこは削れない。
他のものについてもモバイルバッテリーやコード類は、iPhoneの充電を切らさないためであって、それはクレジットカードやPASMOが入っているからである。ちなみに荷物の一覧に「パスケース」とあるが、定期券は路線数が多くて一枚にまとまらなかったので一部区間がスマホ、残りはカードなので必要である。
そこで後者の方になるのだが、パソコン以外は軽量なものばかりである。パソコンだった一キロを切るぐらいには軽量な方である。しいて言えば、鞄そのものはやや重い。六年戦士のAerを軽量なものに替えること。それぐらいしか方法はない。
こうしてみると、結局のところ、背負っている鞄の重さは僕の生き方そのものなのだと受け入れるしかなさそうだ。仕事も万が一への備えも、僕には手放すことができないのである。そう結論づけてしまった以上、重い鞄と共に満員電車に揺られ続けるしかない。